2025/12/25
監修コラム「どうしてあの子はいつも点数が高いんだろう?」
「うちの子は毎回頑張っているのに、なかなか結果が伸びない……」
中学生や高校生、そしてその保護者の方から、こんな声を本当によく聞きます。
教室に立って十年以上。たくさんの生徒を見てきましたが、成績が伸びる子には、勉強のセンスよりも、もっと根っこの部分で共通しているものがありました。
それが “事前準備” です。
私は生徒たちに常々、「成績の良い子と悪い子の違いは、能力の差よりも“準備の習慣”の有無にある」という話をしてきました。
授業を受けたその日からやっておく子と、テスト前日にまとめてやる子。この違いは、最初はほんの些細な差ですが、積もると取り返しがつかないほど大きなものになります。
そしてこれは、「努力量の差」以上に、テスト結果や受験結果として明確に現れ、ひいては人生の方向性すら決定づけてしまうのです。

一般的には、「試験範囲が提示されたテスト1週間前から本気を出す」といったイメージがあるかもしれません。
しかし、成績が安定して80点後半〜90点台を取る子たちを見ていると、そもそもその“勝負”の始まる時期が違います。
彼らは、授業を受けたその日から提出課題に取り組み始めているのです。
1回目の提出課題に早めに着手し、テスト2週間前には2周目、場合によっては3周目に入っている。
だから、テスト期間にはすでに、わからない問題はほとんどなくなっており、2周・3周やってもわからないものだけ学校や塾で質問し、それも取れるようになっていくのです。
逆に、成績が伸び悩む子ほど「試験範囲が出てから焦る」という流れを繰り返しています。
ここで強調したいのは、「テスト前の1〜2週間」は“準備の期間”ではなく、いわば“仕上げの期間”である、ということ。
本来、準備とは「授業直後からテスト2週間前までの期間」に完了してしまっているべきものなのです。
付け焼き刃の勉強でも、中学のうちはそれなりに点が取れることがあります。
実は、私自身がそうでした。中学時代は、完全な短期集中型で、正直テスト1週間前からしか勉強していませんでした。
それでも、テストは毎回90点台が基本だったので、中学の段階では、短期集中の学習法が私の最適解でした。
しかし、高校に入ってから、この短期集中型の学習は一気に通用しなくなりました。
中学時代とは打って変わり、成績は毎回下から数えた方が早い状態に。。
テストのたびに、赤点回避に必死だった苦い経験があります。
なぜそんなことが起こるのか。
理由はシンプルで、「高校で扱う勉強量は、中学とは比べものにならないから」です。
付け焼き刃は「短期記憶」に頼る勉強です。
短期記憶は、一時的に情報を詰め込むことができますが、すぐに抜けていきます。テストが終わればほとんど残りません。
その結果、毎度毎度のテストや、受験本番で焦ることになってしまうのです。
一方、事前準備をして積み上げていく勉強は、頭の中で「長期記憶」に書き換えられます。
長期記憶は、一度身につくと抜けにくく、受験期の膨大な学習にも耐えられる“土台”になります。
高得点は偶然なのではなく、日々の積み重ねの結果であり、まさに、「ローマは1日にしてならず」なのです。
印象的な生徒がいます。
その子は入塾前、完全に付け焼き刃型で、いつもテスト前に泣きべそをかきながら課題を終わらせるタイプでした。
もちろん成績も安定せず、本人も自信を失っていました。
そこで私は、
「テスト前じゃなくて、授業を受けたその日に1回目をやってみようか」
と声をかけてみました。
最初は慣れない感じだったものの、徐々に、前々からやることの重要性や、早くに課題が終わっている気楽さを実感し始め、積み重ねていった結果、ついには5教科合計で100点以上の成績アップを実現!
成績が上がっただけでなく、表情も明るくなり、「自分はやればできる」という感覚が芽生えていくのが目に見えて分かりました。
この変化を見たとき、「やっぱり事前準備は、勉強との向き合い方や成果自体を根本から変える力がある」と、改めて確信しました。
事前準備の大切さが分かっていても、実際には多くの生徒がつまずいてしまいます。
その理由は簡単で、大きく以下の3つが原因であることが多いです。
前回のテストで苦い思いをしても、いざ次のテストが近づくと
「まだまだ時間あるし、大丈夫」と油断してしまうこと。
気づけばまた前日…というループに陥ってしまいます。
数学に3時間必要なのに「1時間で終わる」と見積もってしまう。
これは「予測の誤差」から起きるつまずきです。
反対に、計画を立てすぎるのも問題です。
「完璧な計画」を作ろうとすればするほど、
“アソビ(余白)” がなくなるからです。
計画通りに進まないと自分を責めてしまい、結果的に計画倒れになります。
アソビとは「遊び」ではなく、「想定外を吸収するための余白」のことです。
事前準備は段取りが9割。
計画と余白、その両方があることで「続けられる準備」になっていくのです。
保護者の方からもよく質問をいただきます。
「テスト1週間前から塾で頑張っているのに、なぜ成績が伸びないんでしょう?」
ここに、実は大きな認識のズレがあります。
多くの保護者の皆さまは、
「試験範囲が発表されてからが準備期間」
と思っておられるのですが、
実際には、その時期は「仕上げの期間」です。
準備は授業直後から始まっています。
これを知っているだけで、家庭内での声かけもずいぶん変わりますし、子どもも「焦らず、でも前々からやる」流れを作りやすくなります。
準備の習慣は、成績だけに影響するものではありません。
前々から物事に取り組むようになった生徒は、将来の夢を聞いたときにも、
「そのためには今何をしておけばいいか」を自然と逆算するようになります。
高校受験などの進路の決め方はもちろん、高校での勉強や部活、大学受験、大学生になってからの勉強、資格試験、就職…。
手前のことだけでなく、先まで見据えて動ける。
これは学力とはまた別の、「生きる力」そのものです。
準備の習慣が身についた生徒ほど、この力が伸びていると実感します。
ここまで読んでくださった方に、絶対にお伝えしたい内容があります。
それは、「今日から発想を変えるだけで、まだまだ間に合う!」ということです。
習慣を変えるのは確かに簡単ではありません。
でも、一度身についた「事前準備の型」は、一生ものの財産になります。
今日から、ほんの少しだけでいい。
授業で習ったところを、その日のうちに軽く見返してみる。
提出課題を早めに開いて取り組んでみる。
わからなかったところを、先生に質問して教えてもらったことをメモしておく。
そうやって積み上げた1歩1歩が、必ず未来の自信につながっていきます。
具体的に何をしたら良いかわからない。
そんなときは、学校や塾の先生に、授業前や授業中、放課後などの時間を使って、ぜひ相談してみましょう!
「今日がテスト期間初日だと思って、次のテストに向けて学習を始めよう。」
この言葉を、そっと心に置いてもらえたら嬉しいです。
焦らず、でも着実に。
あなたのペースで進めば、必ず変わっていきます。
ここからまた、一緒に歩いていきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
株式会社えいすた 代表取締役 徳永秀和
学生起業にて、個別指導塾OVERCOME(オーバーカム)を設立。
大学在学中の4年間連続で、教え子の志望校合格率100%を達成。その後も10年以上にわたって、主に民間教育の立場から教育に携わってきており、累計生徒数は700名以上に及ぶ。20点以上の成績アップ者、10ポイント以上の偏差値アップ者を多数輩出してきた経験・ノウハウを活かし、現在は、執筆・講演活動なども精力的に行なっている。