COLUMN・ VOICE

読むハイタッチ

TOP
「しっかり勉強しているのに伸びない子」の共通点〜努力のベクトルを意識しよう!〜

2024/12/03

監修コラム

「しっかり勉強しているのに伸びない子」の共通点〜努力のベクトルを意識しよう!〜

■ 「しっかり勉強しているのに伸びない子」の共通点 〜努力のベクトルを意識しよう!〜

 

「毎日ちゃんと机に向かっているのに、テストになると点数が伸びないんです」

学習塾をやっていると、こんな相談を本当によくいただきます。
しかも、保護者の方だけではなく、本人からも同じ言葉が出てきます。

 

「私なりに頑張っているつもりなんですけど…」

まず、ここではっきりお伝えしておきたいのは、「もちろんあなたは、頑張っていないわけじゃない」ということです。
サボっているから伸びないわけでも、根性が足りないわけでもありません。

私がこれまでたくさんの生徒を見てきて感じるのは、こういった生徒さんは「努力の量」が足りないのではなく、「努力のベクトル(向き・タイミング・中身)」が少しズレている、というパターンがとても多い、ということです。

そこで今回は、そんな「しっかり勉強しているのに伸びない子」の共通点と、そこから少しだけ方向を整えるヒントを、お話ししていきます。

 

■ 「しっかり勉強している子」って、こういう子です

 

まず、私が現場で「この子、しっかり勉強しているなぁ」と感じるのは、どんなタイプか。

例えば、
・自習室をフル活用していて、ほぼ毎日のように来ている
・問題集を「最低3周やる!」と決めて、真面目に取り組んでいる
・分からないところはちゃんと質問に来る
・ノートもきれいにまとめている
・授業中も一所懸命メモを取っている

こういう子たちです。

雰囲気としては、とても真面目でコツコツ型。
どちらかというと、女子生徒に多い印象ですね。

 

誰が見ても、「あ、この子はちゃんと頑張っているな」と分かるタイプです。
だからこそ、テスト結果を見たときに、違和感を覚えるわけです。

 

■ 努力の量のわりに、点数がついてこない…

高校学習先取りプラン

 

実際のテスト結果でいうと、こういうギャップが起こりやすいです。

・本人の努力量からすれば、80点台後半〜90点台、満点近くも狙えそう
・でも現実は…60〜70点台を行ったり来たり、良くて80点前半というライン

横で勉強している様子を見ていると、
「このがんばり方なら、もっと取れてもおかしくないのにな…」
と感じる。

 

本人も同じように、
「あれだけやったのに、なんで…?」
とショックを受けている。

こういうケースでは、多くの生徒や保護者、ときに先生までもが、「もっと努力しないといけない」とか「注意して取り組まないといけない」とかいった反省をしがち、させがちなのですが、私は少し違った目線でアドバイスします。

 

■ 共通点は「努力不足」じゃなくて「努力のベクトルのズレ」

 

テスト前の学習習慣からもわかるように、この子たちは努力していないわけではありません。彼らは、努力の方向が少しズレてしまっているのです。

多くのケースで見られるのは、こんな傾向です。

 

① 「まとめる」、「整理する」に全力投球してしまう
・社会や理科のノートを、細かくびっしりまとめる
・カラーペンを何色も使って、きれいに整理する
・自分なりのオリジナルノートを作ることに燃える

 

意欲的に取り組んでいる点は素晴らしいです。
ただ、「ノートにまとめること」に一所懸命になると、まとめるだけで勉強した気になってしまう危険性があります。

 

ノートまとめで本来大事なのは、まとめる行為それ自体ではなく、そのノートを使って、「解ける」、「答えられる」自分になれるようにすることですよね。

 

② インプットは多いのに、アウトプットが足りない
・授業でしっかり説明を聞く
・質問もする
・ノートにもメモを取る

 

ここまではできているのに、そこから
・自分の言葉で説明してみる
・類題を自力で解いてみる
・友達に教えてみる

 

こういった「アウトプットの練習」が、少ないままでテストを迎えてしまうケースも多いです。

 

「教えてもらった」だけでは、まだ知識は定着していません。
「理解した気」になっているだけということもあります。
自分の頭を実際に使って、アウトプットをしてはじめて、本当に自分の知識になっていくのです。

 

■ 典型的な事例:社会のノートまとめの子

部活動と両立しやすい学習プラン-1

 

ここで、印象に残っている生徒の話を一つ紹介させてください。
その子は社会の勉強を、本当に一所懸命頑張っていました。
テスト前になると、毎回自習室に来て、夜遅くまでずっとノートと向き合っています。

 

やっていたのは、
・教科書を見ながらノートにまとめる
・それをもとに、オリジナルの一問一答を作る
・自分で作った問題を解いて、○×をつける

とても真面目ですよね。

一見、「これは伸びそうだ」と感じる取り組みです。

でも、テストの点数はいつも60点台。
がんばり方の熱量に対して、どうしても結果が追いついてきません。

そこで、彼女の勉強を一度じっくり観察してみたところ、2つの大きな「ズレ」を見つけたのです。

 

■ ズレ① テスト前日まで「まとめ」をしていた

 

まず大きかったのが「タイミングのズレ」です。
本来、ノートまとめのような作業は、テストの 1週間前までに終わらせておきたいところ。

 

そこからテスト当日までは、
・覚える
・解き方を固める
・問題演習でアウトプットを増やす

 

このフェーズに入りたい。

でもその子は、テスト前日になってもまとめ作業を続けていたんですね。

 

そこで、「まとめは早めに終わらせて、直前は解く時間を増やそうか」と伝えたのですが、
「でもテスト範囲って1週間前にならないと分からないし」
「今までこのやり方でやってきたんで…」

と、自分のやり方からなかなか離れようとしませんでした。

 

ただ、実際にはそのやり方で60点前後。
「もっと取れるはずの子なのにな…」というのが、正直な印象でした。

 

■ ズレ② 一問一答の「聞かれ方」が本番と違った

 

実は、オリジナルで作成していた一問一答集にも問題がありました。
なんと、一問一答の「文章」が全部オリジナルだったのです。

 

どういうことかというと、
・教科書や問題集の言い回しではなく
・その子が自分なりに解釈して書いた文章で問題文と答えを作っていた

という状態でした。

 

これ自体は、「理解のための作業」としてはとても良いです。
自分の言葉で書き直すことで、内容が頭に入りやすくなるからです。
ただし、「テスト1週間前〜前日に、それをメインでやり続ける」となると話は変わってきます。

 

本番のテストで出てくるのは、
・教科書に載っている表現
・問題集で見たことのある聞かれ方

だからです。

 

でも、彼女がずっと解いていたのは「自分のオリジナル問題」。
つまり、「本番とは違う聞かれ方でしか、練習していなかった」ということなんですね。

 

やっている中身自体は悪くない。
むしろ、理解の段階ではすごくいい勉強。
でも、取り組むタイミングと内容がチグハグだったために、点数に繋がりにくくなってしまっていました。

 

■ お家の方の「頑張っているのに…」は、たいてい正しい

 

保護者の方からも、よくこんなお話を伺います。

 

「本人、本当によく頑張っていると思うんですけどね…」
「努力しているはずなのに、なかなか伸びなくて」

これは、決して“勘違い”ではありません。」
実際、そういう子たちは、本当によく頑張っています。

 

ただ、お家から見えるのはどうしても、
・勉強している 時間
・机に向かっている 姿
・問題集を何周もしているという 事実

こういった「見た目」や「量」の部分が中心になりやすいんですね。

 

一方で、
・どの問題でつまずいているか
・その問題を、次はどうやってできるようにしようとしているか
・間違えた問題を、なぜ間違えたかまで振り返れているか

こういう「中身」までは、なかなか見えにくいものです。

 

本当は、問題集を1周、2周、3周と進める間に、
「前回できなかった問題を、次の周回でどう“できる問題”に変えていくか」
ここに意識を向けられるかどうかが、とても大事になってきます。

 

ただ回数をこなす「物量戦」ではなく、
・どこでつまずいたのか
・その原因は何なのか
・次はどう考えたらうまくいきそうか

といったプロセスを、少しずつ見ていくことがポイントなのです。

 

■ 保護者が避けるべき禁断の一言

基礎から積み上げる学び直しプラン-2

 

もう一つ、保護者の方にぜひ覚えておいていただきたいのが、こんな言葉です。

 

「この子は、頑張ってもなかなか成果に繋がらないタイプで…」

こんな言葉をよく発していないでしょうか。
もし、日常的にこれを聞き続けたら、子どもはどう感じるでしょうか。

 

「ああ、私は頑張っても報われないタイプなんだ」

と、自分で自分にレッテルを貼ってしまうかもしれません。
そうなると、本来なら伸びていくはずのものまで、自分でブレーキをかけてしまう危険があります。

「努力しても伸びない」のではなく、「今のやり方が、自分に合っていないだけかもしれない」
そんな視点で、一緒に見直していけるといいなと思います。

 

■ 伸び始める子に共通しているもの

 

では、実際に伸びる子は、何が違うのでしょうか。

 

一言でいうと、
「努力」+「ちょっとした柔軟さ」
この組み合わせを持っている子は、ぐっと伸びやすいです。

 

具体的には、
・先生から「こういうやり方もあるよ」と言われたとき
→「じゃあ、ちょっとやってみようかな」と素直に試してみる

・自分のやり方にこだわりすぎず、
→「もっと良さそうなら、そっちに変えてみようかな」と考えられる

こういう柔らかさを持っている子です。

 

もともと、「努力しているのに伸びない子」は、努力そのものはできていることがほとんどです。

だからこそ、そこに

「どんな順番でやるか」
「どんな聞かれ方を想定するか」
「どの問題に時間をかけるか」

といった“やり方の微調整”が加わると、一気に成績が上がり始めることがあります。

 

 

■ あなたは「努力しても伸びないタイプ」なんかじゃない

 

ここまで読んでくださったあなたに、最後にお伝えしたいことがあります。

 

それは、

「自分は努力しても伸びないタイプなんだ」

と、自分で自分を決めつけなくていい、ということです。

 

これまでのやり方が、たまたまあなたに合っていなかっただけかもしれません。
・ノートまとめをするタイミングを少し変えてみる
・オリジナル問題だけでなく、教科書や問題集の聞かれ方にも慣れていく
・先生から教わったやり方を、一度実際に試してみる

そんな、小さな「やり方の実験」を重ねていく中で、「あ、こっちの方が自分は伸びやすいぞ」という感覚が、少しずつ見えてきます。

 

お家の方にできるのは、
・「時間」だけでなく、「中身」や「プロセス」にも目を向けてあげること
・「頑張っても成果が出ないタイプ」というレッテルではなく、「やり方を一緒に探していこうね」というスタンスで見守ること
そんな関わり方かもしれません。

 

もし、「うちの子、まさにそうかも…」と感じたら、学校や塾の先生に「勉強のやり方」について相談してみるのも一つの方法です。

 

そして、この記事を読み終えた今、
「もしかしたら、やり方をちょっと変えたら、まだ伸びるかもしれない」
と、少しでも前向きな気持ちになってもらえていたら、とても嬉しいです。
あなたの努力は、決してムダではありません。

 

あとは、その努力がちゃんと結果に結びつく“ベクトル(向き)”と“タイミング”を、一緒に整えていくだけなのです。

コラム監修者

株式会社えいすた 代表取締役 徳永秀和

株式会社えいすた 代表取締役 徳永秀和

学生起業にて、個別指導塾OVERCOME(オーバーカム)を設立。
大学在学中の4年間連続で、教え子の志望校合格率100%を達成。その後も10年以上にわたって、主に民間教育の立場から教育に携わってきており、累計生徒数は700名以上に及ぶ。20点以上の成績アップ者、10ポイント以上の偏差値アップ者を多数輩出してきた経験・ノウハウを活かし、現在は、執筆・講演活動なども精力的に行なっている。